おしりの診療
おしりの診療について
おしりの病気には、痔核、裂肛(切れ痔)、痔瘻(あな痔)などがあります。いずれも病気の部位がデリケートなため、なかなか相談に来られず、ひとりで悩んでいる方も少なくないかと思いますが、直腸がん、肛門がんなど、重篤な病気が隠れていることもあります。当院では、女性の患者さまも恥ずかしがらず、お気軽にご相談ください。また、水曜午前の外来を女性の外科医師が担当しておりますので、安心してご来院ください。(担当医は診療時間のページをご確認ください)
痔核(イボ痔)
痔のなかで最も多いのが痔核、いわゆるイボ痔です。肛門付近の血流が悪くなり、鬱血し、さらに静脈がこぶ状に拡張したものが痔核です。排便時に出血したり、肛門の周りにイボのようなものができたりします。発生する場所により、内痔核と外痔核に分けられます。
このうち内痔核は、肛門の歯状線より内側に生じた痔核であり、ほとんど痛みを感じること無く進行します。しかし、進行して痔核が大きくなると、脱肛するようになります。脱出も初めのうちは指で押し込めば戻りますが、さらに進行すると戻らなくなり、痛みを伴うこともあります。
外痔核は、肛門の歯状線の外に生じた痔核です。激しい運動をしたり、急に重いものを持ったりした後などに突然血の塊が肛門にでき、腫れて痛みます。薬で治りますが、大きくて痛みが強いものは切除するか、血の塊を取り除く必要があります。
裂肛
便秘や下痢で肛門上皮が切れ、痛みや出血を伴います。急性裂肛と慢性裂肛があります。このうち急性裂肛は、傷が浅く、排便時に痛みや出血を伴う程度です。ほとんどが数日で回復します。一方、慢性裂肛は、何度も繰り返されるので傷が深くなり、潰瘍になります。痛みも持続し、傷の内側に肛門ポリープ、外側にイボを形成することもあります。
痔瘻
直腸肛門周囲の膿瘍が自潰したり、切開排膿されたりすると、トンネルのような瘻管が出来ます。痔瘻には皮下痔瘻(1型)、筋間痔瘻(2型)、坐骨直腸窩痔瘻(3型)、骨盤直腸窩痔瘻(4型)のタイプがありますが、いずれも手術が基本となります。痔瘻の入り口である原発口の切除と感染の原因となった原発巣の切除、適切なドレナージが重要です。